OTA-man's blog

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泣けた話 16:29
昨日ひさしぶりにテレビを見ていてウルウル来てしまった。
世界水泳、女子50m背泳ぎの中村真衣選手である。


中村選手は長岡市の出身。
現在も長岡にベースを置いて選手活動を続けている。
現在27歳。かつては選手としてのピークは10代後半とも言われた女子競泳界にあって、ベテラン中のベテランと言ってもいいだろう。

その中村選手が、これまでの20年以上にわたるスイマーとしての
全てを賭けた決勝。
結果は7位。
レース後のインタビューの時、万感が胸に迫ったのか声を詰まらせていた。

中村選手と同世代で活躍し、今回は解説者としてスタジオに来ていた田中雅美さん、萩原智子さんの2人も、画面の中で思わず涙を見せていた。
それを見ていた僕もテレビの前で感極まり、もらい泣き。
実は僕も小学生時代は水泳選手で、中村選手と同じく種目は背泳ぎだった。
同じスイミングスクールに所属していて、学年は彼女が一つ下。
ということは、まったく記憶にないけど当時確実に同じプールで練習していたのだと思う。

そもそも水泳とは面白みの少ないスポーツだ。
キツイことや耐えなくてはならない要素の方が圧倒的に多くて、それに報いてくれるのは年に数回の大会のみ、タイムが全てである。
極端に言ってしまえば練習はひたすらプールを行ったり来たり、見えるものといえばプールの底に引いてあるセンターラインか、天井の模様のみ。
考えることといえば「あと何本で今日の練習は終わり」とかそんなことだけだ。

そんな地味できつい競技を、20年以上続けてきたというだけで僕は賞賛に値する
と思う。
一緒に活躍した仲間たちがどんどん引退していくなかで、彼女は自分の道を貫き通し、やたらと選手層の厚い日本の女子背泳陣でずっとトップを競い続けてきた。

だが中村選手が本当にすごいのは、引退か?と思われるかのようなどん底の状態から、自力で這い上がってきたことだと思う。

アテネ五輪の代表選考から落ちた時、おそらく競技を続けることに相当迷ったことだろう。シドニー五輪銀メダルのプライドもずたずたに引き裂かれたのかもしれない。プロ選手としてやっていく上で、スポンサーとの契約でいろいろな問題も発生したことだろう。
肩の故障も良い状態ではなかったと聞く。

だが彼女は腐らずに地道に練習を続けてきた。

長岡市には市民体育館というのがあって、その中に格安で利用できるトレーニングルームというのがあるのだが、僕はそこで何度か中村選手を見かけたことがある。
おそらく彼女レベルのスポーツマンなら、もっと設備の整ったトレーニングジムで専属のトレーナーをつけてトレーニングを行うのが当然だろう。
だが彼女は黙々と、一般市民に混じって一人でメニューをこなしていた。

そんな姿をチラッとだけど拝見していたので、同郷のよしみというだけ以上に、僕は中村選手を応援していた。
いや僕だけではない、新潟県民みんなが彼女を応援していたと思う。

そんな中村選手だが、もしかしたら今回で本当に引退を考えているかもし
れない。
だがどちらを選択したにしても、誰もが彼女の決断を支持してくれるだろう。


僕は彼女のような人こそ本当のアスリートだと思うし、同世代として尊敬を禁じえ
ない。
そんな中村真衣選手は新潟の誇りだと、僕は勝手に思っている。



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